2018年04月19日

パイナップル太郎

 パイナップル、と思うと同時に頭の中に流れてしまう歌がある。

 あ、『PPAP』ではなくて。

 小学生の頃、「母が不在で、弟と二人だけで眠らなければならない」という夜があった。別に母子家庭じゃなかったけど、そういう形容が正しい。まあ、ディテールはどうでもいいか。

 寝る前にはみんなで本を読むというか、母の読み聞かせタイムが布団を敷いてからのお楽しみみたいなところがあった。

 読みながら眠りに落ちたり、眠りとの境目でおかしな物語を生み出す母にツッコミを入れたり、本を顔にバサッと落とす母を笑って「もういいよわはははは」みたいに閉会するのもまた、楽しみの一つ。

 あ、母はまだ生きている。

 読み手でありボケ手である母。それが不在の夜というのは、ただの留守番ではない。

 どうしよう。

 電気を消して、「よし、今日は僕がお話をしよう」となった。

 とはいえ、普通にやったのではレギュラー(母)に勝てない。どうしよう。

 そうして生まれたのが『パイナップル太郎』であった。何の工夫もない、恥ずかしくなるようなおふざけパロディーではあったが、主題歌があった。

 それはもう斬新な、自作の主題歌があった。

 弟はもう、ずっと爆笑していた。寝かしつける目的だったはずだが、今思えば、僕にも笑わせるつもりしかなかったような気がする。二人でいい子で早寝をしなければならないのに、いけないことだ。

 罰として、今でも「パイナップル太郎の歌」が頭に流れることになったそうな。
posted by 篠田 青 at 23:59| Comment(0) | 日々
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